届出制

 こんにちは。さつき台動物病院の院長 多田です。実はあとホンダの車を所有すると国内メーカー(光岡は除く)コンプリート完了なのです。あれだけステップワゴンのわくわくゲートを絶賛しておきながらホンダの車を所有したことないのかい!とお叱りを受けそうですが、ホンダの車は所有したことがないのです(日産車は自己所有でなく、免許取り立ての時に自宅の車が日産でした)

 

 さてダイハツの不正認証問題が尾を引いたまま年越しを行うことになり、毎年恒例のダイハツ夢フェアが悲しいことに本当の夢になってしまう2024年がそこまで差し迫っています。でも、この不正認証って報道内容を見ると認証を受ける手続きが「届出制」になっているのです。大学時代に先生が「動物病院を開設する際には、事前に許可は必要なく、開設した時に届出をするだけでいいのだ。なぜ許可が必要ないのかわかるかい?それは、国は君たちを信頼しているから獣医師免許を与えているのであって、信頼しているからこそ開設の際に改めて許可を取る必要が無いんだよ。ということは、国家試験に合格した後に獣医師としての立場を悪用するような事は決して行わないよう、強く自分を律して生きていかないといけないんだよ。」と授業で解説しているのを聞いて、国試に受かればなんとなく楽な人生が待っていると思っていた私は厳しく自らを律するなんて、獣医師になって社会に出たら大変だと震えたものでした。ちなみにこの話はいまでも年2回位は自らに問かけています。昔から(意外と)素直で真面目なのです。まぁうちの大学はとんでもない事をやらかした有名人を輩出いや排出しているので、なおさら釘をささないといけないのかもしれないですが、歴代の卒業生の悪事を合計したらそんなに悪い大学でもないと思います。特に同級生は生きてて楽しいのか?と思うほど真面目な人達が多かったですね。僕はそんな真面目な同級生の事を今でも誇りに思い尊敬しています。

 

 さて、それほど私を震えさせた届出制ですが、自らの動物病院を開設した際に一応内部の視察が入るんですね。そうです、実は完全に信頼されているわけではなかったのです。そこで今回のダイハツ問題です。そもそも届出制にして基準を満たしていない製品を世に出させた原因は、審査がユルユルだった国交省にあるのでは?とワタシ思います。こんなユルユル手続きなら他のメーカーも大なり小なり絶対にやっているし、衝突安全性に関わる項目が多いことを考えると軽自動車と小型車が多いメーカーそれも国内専売車(世界戦略車だと他の国の認証も取らないといけないので)が多いメーカーがやっていそうです。スバルとマツダは国内専売モデルが無いので大丈夫。その他メーカーは軽とミニバンが国内専売が多いのであやしそうです。ただ、大昔の車が公道を走っていることを考えると、基準をギリギリ満たさない車が販売されること自体そこまで問題視することも無い気がしますが、、、。むしろ高齢ドライバーの増加と運転の荒い人、今は少なくなった飲酒運転のほうがよっぽど問題だと思います。でも、ダイハツの不正届出を見抜けなかった国の認証システムにも問題があることは確かだと思います。

 

 このダイハツ問題ですが、現在報道されている内容では、ちょっと前のドイツのディーゼルゲートのように、「不正する気マンマンで、わざわざスペシャル装置を車に載せてまで検査をすり抜ける」ものではなく、大半が「検査行ってないのに、行ってるフリをした」ものなのです。ディーゼルゲートは絶対基準に合致していないものを製品として出荷しているのに対して、ダイハツの車は検査をし直せば基準を満たしているかもしれないのです。軽自動車が多くそもそもの構造が弱い傾向にあるので、しっかり検査したらアウトな可能性もありますが、今の軽自動車の規格にちょっと無理があるのでは、、、、さらには、普通車が大きく重くなり過ぎでは、、、、という議論が生まれても良さそうです。

 

 とにかくVWグループが世界販売首位をキープしている時点で、今回の件ではエアバッグのタカタのようにダイハツが消滅するような事は無いと思いますが、「この先どうやって売ってく?」という大きな壁にぶつかることは間違いなさそうです。それだけ三菱自動車のようにブランドが毀損される事は大きな問題になるでしょう。そして、もし再検査でダイハツ車が基準を満たしていた場合、届出制が生んでしまった今回の事件における国交省の責任はとてつもなく大きなものになりそうです。

 

 「許可とるの面倒だな」というケースが仕事をしているとみなさん多々あると思いますが、実は届出制の方が不正があった際に(それが意図しない不正であっても)後々面倒なことがあるようなので、みなさん面倒でも許可は取りましょう。