コピーバンドとは

 こんにちは。さつき台動物病院の院長 多田です。昔は頑張って人脈を広げるかとにかくたくさん色々な種類の本を読むことでしか、思わぬところで有益な情報を得ることができませんでしが、今はSNSを流し読みや垂れ流しているだけで、時々とんでもなく有益な情報が飛び込んで来るのは良い時代になったと思います。嘘か真かを慎重に見極める必要はありますが、子供の頃「自称その分野に詳しいおじさん」にインチキ情報を吹き込まれた経験が多々ある私からすると、ネットで真贋を確かめる材料を探せるだけ良いのかなと思います。

 

 さて、みなさんコピーバンドは学生の頃組んだことがありますよね。もしかしたら今でもコピーバンドに精を出している方もいらっしゃると思います。いままでの私のコピーバンドへの認識といえば、「そのバンドを好きな仲間が集まり演奏をして自分達が満足するためのバンド」というものでした。元々のファンからすると本家の演奏やパフォーマンスに到底届くことのないコピーバンドは、所詮劣化コピーとしてしか認識されないまさにバンドメンバーの自己満足感を満たすだけの趣味であり、音楽の表現という芸術活動からは程遠い存在と認識されているであろうとの考えを持っていました。

 

 先日Youtubeが私に突然「X-HIROSHIMA」なるXのコピーバンドをレコメンドしてきたのでした。「本家が認めたコピーバンド」と書かれていましたが、コピーバンドに対する上記のような偏見がある私は、X-HIROSHIMAの真贋を見定めるべく視聴することにしました。結論としてX-HIROSHIMAはコピーバンドを芸術活動に昇華させるだけでなく、往年のXファンに古き良き時代のX、メンバーの半分が還暦前に亡くなってしまいもう再現されることが絶対にないXを完全に再現し体験させることができるコピーバンドだったのです。

 

 ちなみにXじゃなくてX Japanでしょ?と思われた方もいらっしゃると思いますが、あくまで初期のX、ちょっと演奏が洗練されていないX、ビジュアルも落ち着く前のX、X Japanでなく初期Xのコピーバンドなのです。どのくらい初期Xを再現できているかというと、

・時々おこるドラムのテンポのずれを再現

・hideの雑なコーラスも再現

・とにかく無理して高音を出していた初期のTOSHIのボーカルを再現

・↑のため、観客に一部を歌わせるが、そこも再現

・TOSHIのMCでの喋り方の再現

・おそらく実際のライブ音源の完全再現を目的としている

ということからも、もはやコピーバンドというより究極のモノマネ、なんなら視聴者をタイムスリップさせることができる芸術家集団と言えるものなのです。上記の特徴のため「ボーカルが下手」「ドラムがズレてる」などのコメントも散見されましたが、高校時代にXにドはまりして散々ライブ音源を聞き、初期Xの演奏レベルがみなさんがテレビで観ていた頃(X Japan時代)よりアレだった事を学習済みの私からすると、「ここまで再現することが可能なのか」と信じられない気持ちにさせられる演奏レベルなのです。モノマネ王座決定戦をみていても、美空ひばりや中島みゆきなどの歌が上手い人のモノマネは完成度が高い人が多いですが、中居くんとかマッチの完全モノマネってできてる人いませんからね。

 

 結果として、下手くそだったXの生演奏を本人たちのプレイで聞くことが不可能な現代に、それを完全再現してくれることの貴重さをX-HIROSHIMAは私に教えてくれたのでした。コピーバンド活動は、本人たちの自己満足ではなく今は死んでしまったミュージシャン達を演奏を通じて我々ファンの前に一時的に生き返らせてくれる、一種の奇跡と呼べるものなのでしょう。