デジタル庁の残業とAIに関する勘違い

 こんにちは。さつき台動物病院の多田です。マイナンバーカードのトラブルで、日が昇るまで残業している国家公務員のみなさまお疲れ様です。そりゃあ新しいシステムなんですから、トラブルは絶対に出ますよ。仕方ないと思います。スタートの段階でトップの人から国民に「〜という理由でマイナンバーで国民を管理する必要があり、おそらく初期にはトラブルが生じると思うがご理解ください」的な説明があればこんなに叩かれなかったと思うのですが、どうやら政治の世界にはインフォームド・コンセントなんて概念は無さそうなので仕方ないですね。私はどうせトラブルが出て、住基カードみたいに無かったことになるんじゃないかと思い、マイナポイントに後ろ髪を引かれましたが、まだ作っていません(やましいこともありません)。

 

 さて、「デジタル庁が残業をするとはいかがなものか!」というお叱りの言葉がネット上を飛び交っておりますが、そもそも何でデジタル庁でトラブルが発生したときに4時まで頑張って復旧しようとあくせく働いて文句をいわれなきゃいけないのでしょうか、デジタル庁の人の身になって考えてあげてほしいです。デジタル庁の中の人にも苦労してようやく約束できたあの子とのデートをぶっ飛ばして残業した人もいるはずなのに、世間の声は「よくやった!」と賞賛の声でなく「残業などけしからん!」ですからね。正確には「残業させるデジタル庁がけしからん!」なのだと思うのですが、僕が残業したデジタル庁の職員であれば、まず「お疲れ様です。ありがとうございます。」くらいは言ってもらわないとマイナンバーシステムの入ったサーバーに誤って水をぶっかけてしまいそうです。

 

 そもそも、デジタル庁=残業したらイカンと思ってる人は、デジタル庁の仕事って全部コンピューターが自動化して行っていると思ってるんでしょうか?そしたらデジタル庁に人間はいないはずですし、デジタル庁長官もきっと人間ではないはず。デジタル庁長官が人間である時点で、当然職員も人間ですし、人間が働いているということは当然ヒューマンエラーが起きるし、そうしたら残業が生じることくらい自明の理のはずです。

 

 昨今はなんでもかんでもAIAIって呼びますが、現在AIと呼ばれているものは手塚治虫漫画に出てくるような自立したAIではなくて、エキスパートシステムと言われるどこかの誰かが組んだ単なる作業用プログラムです。自己学習とかディープラーニングとかはせいぜい木下青年の「草履が冷たいとかわいそうだから、懐で温めておこう」や石田少年の「まずは喉が乾いているはずだから、薄くてぬるいお茶をたくさんだ!」程度の学習しかできず(JRの自動販売機的な感じ)、「今夜の本願寺は危険度MAX!」なんて人知を超えた予測は無理なのです。プログラムが人知を超えないなら、デジタル庁ではトラブルを人間が残業して解決しないといけないですよね。

 

 結局、SNSなどで個人の発言力が高まってしまった結果、こういった十分に実状を理解していない人の意見が世間の目に触れられるようになってしまった結果、混乱が生じ、それに対して「勘違いされないように一目瞭然な名前をつける」という対策が取られた中で生まれ一定の支持を得たのが「NHKから国民を守る党」なのでしょう。それであればデジタル庁は「将来的に色々な事を自動的にコンピューターで処理できることを目指す庁」、防衛省は「ガンダム&EVA省」にして、防衛増税も「Zガンダム配備税」とかにしたら国民の半分強(♂)の支持は得られそうです。