円安とプレステと私

 こんにちは。さつき台動物病院の院長 多田です。日本が7兆円も使って円高に誘導しても、たかだか5円程度しか円高にならないのをみて、アメリカの金利が0.xx%上がっただけで50円円安になってしまうのだから、日々世界で動かされているお金の額がとんでもない額なのだなと思います。お金なんて本来は物質として存在しない、人間が作り出した概念なのに「人間の労働をわかりやすく数値化したもの」とか言われると納得してしまいそうですが、労働を時給で判断していることからすると、労働というより「個人の持つ寿命を他人に分け与える際の対価」を貯蓄できる形にしているのでしょうね。「Time is money.」とはまさしくこの事か。

 

 さて、日本の為替介入ですが、経済を専門としていない方々が「7兆円も円を使った」といった発言をして、経済に明るい聡明な方々から「違うよ円高にするんだから、日本が持ってた外貨(多分ドル)を7兆円分売ったんだよ。むしろ7兆円受け取ったんだよ」という指摘を所々で見かけました。こういった「7兆円使って円高にした」と聞くと「7兆円損した」的な安易な勘違い、私も診療をしていてこういった単純で基本的な物事が時々わからなくなることがあるので、その気持はわかります。まぁ、変だなと思ったら必ず調べるんですけどね。学生時代に言われた「辞書を引きなさい」ってことはまさしくこういう事なんだなと、こんなオッサンになってからしみじみと感じるんだから、辞書、、、いやすべての本の表紙にこの段落の文章を書いておいてよ、、、と思いました。

(南斗五車星の火はヒューイで良かったんだっけか、、、調べよう)

 

 さて、7兆円分のドルを使った後に、いったい日本には何兆円のドルが残っているのか気になりましたので調べてみると、日本国の資産が630兆円のところ、1兆2000億ドルも外貨を持っているようです(調べました)。4分の1も外貨なんですね。

 

 ところで、日本は資源が採れない国なのですが、資源から製品を作る技術を持ち合わせていましたので、資源を買って製品を作る、作った製品は国内で使い海外にも売る、儲けた分で設備を増強しさらに資源を買うという事をして来ました(第1弾が富岡シルク)。これって、資源を買う段階では円高を有利で、製品を海外に売る段階では円安が有利なのは有名ですが、やっぱり原価率と売上高ならどっちが大切かというとやっぱり売上なので円安になった方が嬉しいと思います。実際にこの文章を書いているオッサンが産まれる以前の太古に昔には1ドルが300円を超えるスーパーフィーバー状態にあって、お客さんである海外の都合が悪くなって今の変動性になったという歴史をみても円安は日本に有利であるのでしょう。ただ、iPadが急に欲しくなった人からすると今の円安は悩ましく誰かに文句を言いたくなると思いますが、文句はアメリカにいうより国産iPadを作れない日本企業にいうべきではないのでしょうか。

 

 円安になって考えてみると、今まで円高→iPhoneが日本でお得→みんなiPhone買う→日本企業がスマホ作らなくなる の構図が成り立っていて、この30年がもう少し円安であったならば、iPhone高いから買わない→使いやすい携帯電話使いたいよ→もともと戦後に必要なものは全部自分で作ったんよ(a)→ソニー「すごいの作りました」→みんな「わーい」→ソニー「海外でも売ります」→世界のみんな「ちょっと高いけど、すごく使いやすい」→ソニー「わーい、めっちゃ儲かったのででっかいスマホつくろう」「音楽サブスクにしよう」→ソニー「タブレットにプレステ合体させました」→任天堂「なんか開発中のswichってやつよりすごいのソニーが作ってる、、、。」的な流れになったのではないかと思います。そして任天堂はゲーム機から撤退し、質の高いソフト開発のみに集中することになるのでした。ゲーム機よりソフトの方が儲かりますからね。特に任天堂のソフトは特にコストかかってなさそうですし。

 

 やはり為替変動制による円高は日本に不利に働いてると思うのですが、本当に足りないのは上記(a)の気概なのかもしれません。そりゃあ、負けが確定した状況でもボロボロの飛行機に爆弾積んで相手の船に突っ込んでった人達の生き残りといまの日本人じゃ全く別の人種ですからね。トヨタとユニクロは好調ですが、あの2社だけは実は100歳を超えた戦争の生き残りがバリバリ現役で働いているのではないかと疑ってしまいます。

 

 円安とプレステと私 愛するソニーのため

 毎日ゲームに熱中したいから 時々新しいプレステ発売してね

 愛するプレステのため 円安はチャンスだからものづくりして

 

 ちなみに、南斗五車星の火はシュレンでした。