こんにちは。さつき台動物病院の院長 多田です。私の愛してやまない北海道を舞台としたアイヌグルメ漫画であるゴールデンカムイが完結いたしました。
ゴールデンカムイですが、完結後に映画化が決定しているということで、そのキャスティングを予想しているのですが、どう考えても主人公は大泉洋でその他キャスティングはTEAM NACSのメンバーとなることは自明の理であります。ネット記事によると錦鯉長谷川も濃厚であるそうです。アシリパ役は安倍なつみが適任と思います。
さて、主人公一行は冬の北海道で元気に行動しておりましたが、実際はあんな事は不可能です。死にます。冬の北海道をナメたらいかん(冬は10月〜4月)。夏も危険はいっぱい。何なら1年中危険はいっぱい。そりゃそうです、開発されてないんですもの。開発されていなければ、きっと渋谷でも遭難できます。以下は私が北海道で命を落としかけた出来事のごく一部です。
・深夜の襟裳岬に車で行って、突然ライトを照らしても道路が見えなくなった(上り坂から下り坂に切り替わる地点でこの現象が起こる)ので、違和感を感じ車を降りて確認したら、崖っぷちだった(埠頭で落ちる車はおそらくこのパターン)。
・部活のみんなで氷上ワカサギ釣りに普段着で行ったら、全員で遭難しかける。
・周囲に車がいないため速度感覚が失われがち、アイスバーンの高速道路で気がついたら130km/hが出していた。
・雌阿寒岳&阿寒富士単独登山、体力はあるもスタート時間が遅れ、山頂から見える景色には人間の存在が確認できなくなる(大自然の山頂で一人ぼっち)。ボーイスカウト団の声が聞こえましたが、遭難した時に幻聴が聞こえることがよくあるそうなので、無視してなんとか下山。
・雪が積もるまでバイクは乗れるが、11月の路面温度が低すぎてエンジンブレーキで後輪ロック→単独事故
・11月に車中泊で寝ていたら低体温症になりかける。このまま死ぬか、寝袋から出てエンジンをかけるかしばらく悩む。低体温症で徐々に思考力が無くなっていくのを感じる。
まとめると、山、釣り、バイクが危険である事は自明で、幼少期より父親から「登山とバイクだけはしちゃイカン」と言われていましたが、父が言っていた唯一の正しい事だと今あらためて感じます(父は思い込みが激しく、テキトウな事を言うことが多い)。ただその難関を超えた先でしか見られない景色があります。冷静な判断、入念な準備、十分な経験、丈夫な体、これらを持ってすれば自然は克服可能で、それら四要素が自らに備わっているかどうかを確認するために、自然に立ち向かうと言っても過言ではないでしょう。
首都圏で似た経験といえば、首都高環状線(C1)への合流がちょうど似ています。C1合流毎回ドキドキしますね。特に加速しない車だと、お祈り合流必至です。よほどの事がない限りC2や外環・果ては圏央道の使用をおすすめいたします。
記憶の紐を解きほぐすと、北海道に住む前に土砂降りの首都高で車をスピンさせて壁に突き刺さって、死んでたかもしれない出来事を経験しているのを思い出しました。首都高もまた、己の実力を試すための命がけの冒険なのかもしれません。