節分とコロナウイルス

 先日、Facebookにこんな事を書かれている方(おそらく医療関係者)がいらっしゃました。
『平安時代の人々が、豆をまいて払おうとしていた鬼とは、おそらく現代におけるのコロナウイルスのようなものだったのだろう』
 たしかに、平安時代にインフルエンザがあったのかわからないですが、風邪が流行る時期でもあります。北海道で冬に見かける痩せた鹿や狐を見ていると、食料保存の技術が未発達であった昔の2月は、人間であっても毎日ハラペコでやせ細り、体力は落ち、病原菌に対する抵抗力は著しく低下していいただろうことは容易に想像できます。そればかりか空気は乾燥し、ウイルスの活動は盛んになり、抵抗力の落ちた人々は病にかかりその一部は命を落としたことでしょう。病原体の存在を知る由もないので、それらは魑魅魍魎や鬼として認識されていたのでは無いでしょうか。
 平安時代のとある人物が、冬の食糧難の時期は比較的保存しやすい炭水化物中心の食生活になり、たとえ野鳥などを捕まえても野鳥もやせ細り可食部が少なくタンパク質が不足することを経験的に感じ取り、2月3日に年の数だけタンパク質豊富な大豆を食べて病原体に負けないようにすることを考え出したのでしょう。

 日々診療をしてく中で、科学技術の発達した現代であっても理解不能な病気や治療不可能な病気はあります。私達と魑魅魍魎の戦いは現代でも続いているのです。平安時代の誰かがそうしたように、魑魅魍魎に打ち勝つには擦り切れるほどアタマを使って考えていくしかないのは現代も平安時代も変わらないのです。