こんにちは。
さつき台動物病院 院長の多田です。
梅雨入りしましたね。
ブログの更新がとても滞っておりましたが、
母校の後輩達がやらかしたて大変ななことになっている一方で(前回ブログ参照)、こちら動物病院も3月末から5月末まではとても忙しく大変なことになっていたのです。
そして梅雨に入ると急転直下、時間ができ始めます。この時期ボーっとできるかというと、忙しかった時期にできなかった事、改善すべき課題などに取り組んでいくことになります。診察室のMacが調子悪いので買い替えを検討中です。24時間365日×3年間電源つけっぱなしなので、調子悪くなりますよね。
さて、時間があるときには読書をします。最近はお医者さんがお医者さん向けに書いた本を読むことが多くなりました。勉強のためもありますが、どちらかというとオシャレな女性がファッション雑誌を読むのや筋トレ好きの野郎が筋トレ雑誌を読む感覚に近いと思います。
今は神戸大学大学院教授の岩田健太郎医師が書かれた「抗菌薬の考え方、使い方」を読んでいます。そこにこんな事が書かれていました。
(背景として)
・歯周病(歯石)は細菌の塊である
・歯周病菌による全身感染症で糖尿病や心臓病が引き起こされる
(本に書いてある内容)
・上記を予防するため歯科治療の際に抗生物質の処方が推奨されていたが、最近は推奨されなくなっている
・その理由は、、、普段の歯磨きでも感染症は起きていたから!(某5歳児風に)
・むしろリスクは
たまに行う歯科処置<毎日の歯磨き
なのだそうです。
・歯磨きで心臓病にならないんだから、歯科処置の時に抗生物質いらない
しかし、
・実際に抗生物質を使わないで歯科処置を行ったら心臓病が増えた。
・そのため、歯科処置の前には抗生物質を使うようガイドラインに入れた。
一見、
・毎日の歯磨きの方がリスクが高い
・毎日抗生物質を飲まなくてもみんな元気
なら
・歯科処置にも抗生物質いらない
のように思えますがそうでは無いんですね。
ここが医学が3歩進んで2歩下がるという様な進歩の仕方しかできない理由なのです。
生命は神秘(謎)に包まれているのです。
さて、この事実に説明をつけようと思うと
抗生物質以外の細菌に対する要因が考えられます。つまり自分自身の免疫です。
要するに
・歯磨き中は体の免疫が増進している
・歯科処置中は免疫が落ちる
などが考えられます。
確かに歯医者さんという恐怖の空間では免疫力が落ちてもおかしくないような気がします。
一方で「歯周病菌を殺してやる!」という気持ちで歯磨きをすると良いのかもしれません。
「病は気から(という側面も捨てきれない)」のかもしれません。